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2009.07.05 Sunday  “自称マイケル・ジャクソン”の孤独と悲哀の物語。

『ミスター・ロンリー』という映画をご存知でしょうか?

ミスター・ロンリー

マイケル・ジャクソンとして生きる男と、マリリン・モンローとして生きる女(サマンサ・モートン!)との日々を描いた作品で、2007年に日本でも短館上映されました。

『ミスター・ロンリー』公式サイト

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本作の監督、ハーモニー・コリンは1973年生まれ。
19歳のときに執筆した脚本(ラリー・クラーク監督『KIDS/キッズ』)で注目を浴び、22歳の時に『ガンモ』で映画監督デビューした早熟な人物。

若者の奔放な性や心の疎外感を描く、日本の“ケータイ小説”の走りかのようなスキャンダラスな作風は、当時天才映画クリエイターと持てはやされる一方で、常に賛否両論を振りまいていたように記憶しています。

7月7日にマイケル・ジャクソンの葬儀を控え、会場となるロサンゼルスにファンが集結しているというニュースを観て、『ミスター・ロンリー』のいくつかのシーンがフィードバックしました。

そして続いて浮かんできたのは、ハーモニー・コリンは、本作の主人公が自己投影する人物に「何故マイケル・ジャクソンを選んだのか?」という疑問。
作中では、チャップリンやジェームス・ディーンに成りきる人物も登場し、ヒロインはマリリン・モンローと故人ばかりが出てくる中で、当時健在だったマイケルを主役に据えた理由は何だったのだろう?

映画公開のわずか数年後に訪れる彼の死を、よもや予見していた訳ではないのでしょうが……。


★『ミスター・ロンリー』が今日に投げかけるもの

俳優やスターとして成功した者には、“本当の自分は何者なのか”という命題が常に付きまとっているイメージがあります。

マイケル・ジャクソンもまた、ある種の変身願望を持ち、結果として大成功を果たした人物。
ただ、巨額の富と地位と名声を得て、外見や周囲の反応もめまぐるしく変化したけれど……少年のような純粋な心を持ち続けていたが故の苦悩は計り知れません。

そんなスターの孤独と、その孤独を知らずに自らに偶像を投影する男もまた、自己を見失い孤独に苛まれしまうという皮肉。
『ミスター・ロンリー』の自称マイケル・ジャクソンが、苦悩と逃亡の果てに手にしたものはなんだったのか。

興味のある方は、本作を是非ご覧になってください。

マイケル・ジャクソンというカリスマ失ったことで悲しみにくれる人々にはもちろん、自身の足で生きることに不慣れでに常に拠りどころを求めて生きる人々や、真のコミュニケーション不在が叫ばれる現代人に対して、本作は良かれ悪しかれ、それぞれにとっての“意味のあるメッセージ”を投げかけているように感じます。





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2009.06.17 Wednesday  【映画レビュー】ウォッチメン

ついに、DVDの発売日が決定した!
発売日は2009年9月11日…この日付は狙い過ぎ…

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■観る前に読む――原作『WATCHMEN』に心酔

映画を観る前に原作コミックを読みました。
といって旧来の原作ファンではなく、映画本作の予告編を観て興味を持ち、ネットで調べているうちに翻訳コミックの改訂版リリースを知って即購入、原作の壮大なスケールと着想にやられてしまったクチです。

テリー・ギリアムやクエンティン・タランティーノなど名だたる監督が企画に乗り出したものの断念、最初の企画スタートから今回の映画公開まで紆余曲折23年の歳月がかかってしまった背景には、あのストーリーを一本の映画としてまとめきれるのかどうか、更には原作者のアラン・ムーアをして「コミックでしか表現できない作品をつくったから、映画化は絶対に無理」といわしめた世界観とコミック表現をどのように映像化するのか、といった壁が立ち塞がっていたとのこと。

後者については、今回、ザック・スナイダー監督の映像センスで見事にクリアされていました。
原作のイラストレーションを手がけたギボンズのコミックに倣って、コマ割の構図やキャラクター造形がほぼ忠実に再現され、ニクソン大統領統治下という架空の1985年、荒んだアメリカ都市部の舞台がしっかりと再現されていました。

問題は前者。
ネタバレになるので詳しくは説明できない“世界平和に導くための手段”や海賊物コミックのくだりを映像でどう表現するのだろうと期待を寄せていたのですが、あの“手段”は映画オリジナルに変えられ、原作のストーリテリングの軸になっていたニューススタンドの店主とコミックを読みふける少年とのシークエンスが割愛…。


■個人的には変更点に納得も、「コミックならではの表現」を痛感

原作と比べてあっさりと処理されてしまった感のある“世界平和に導くための手段”ですが、私個人としては納得。映画の尺を考えてのことでしょうが(それでも2時間43分)、海賊コミックにまつわるシークエンスをばっさりカットしたことで、原作の“手段”をそのまま使用する訳にはいかない。
その分、原作よりもクレバーかつスマートな着想による“手段”が用意されています(あくまで個人的な見解です)。

原作未読の奥様と鑑賞したのですが、いわく「展開が早すぎるし回想シーンばっかりで意味が分からない。説明不足だし未回収の伏線が多いように思う」と散々なコメント。時期的に『ダークナイト』や『アイアンマン』と比較されてしまうこともあってか、ネット上のレビューを見てまわっても一般の映画ファンにもあまりウケは良くない様子。
こちらは原作に惚れ込んでしまっているため、ほぼ原作通りのストーリー描写に違和感はなかったのですが、何かモノ足りなさというか消化不良感があったことは否めません。

原作では初代ナイトオウルが引退後に発表した自伝で語られる「ミニッツメン」だとか、ベトナム戦時下のニクソン体制や、ヒーローたちを追いやった「キーン条例」について等々、知れば知るほどに味わいが深くなる作品なだけに、むしろ映画ではなくTVドラマとしてシリーズ化した方が成功したのでは、とも。
つくづく原作の構成が素晴らしいことに気づかされました。

更には、彼らウォッチメンらヒーローの姿(映画の衣装・美術は秀逸)や台詞回しが映像化されたことで陳腐に映ったことに、コミックと映像ではこうも印象が違うのかと愕然。
ナイトオウルとシルクスペクターがオウルシップ内で性交渉するシーンは原作ではあっさりながら情緒的に描かれた名シーンでしたが、映画の中で80年代ソングをBGMにこのシーンが展開された時には、このまま原作通りのストーリーだったら「これはラジー賞ノミネートかも…」と余計な危惧を抱いたほど。

ここ数年日本でもマーベルヒーローズを中心にアメリカンコミックものがヒットしていますが、アメリカンコミックというサブカルチャーとベトナム戦時下という歴史的背景の薄い日本において、『ウォッチメン』のアンチヒーロー哲学はごく限られた層にしか響かないと痛感しました。

そもそも日本に置き換えたとして、「ウルトラマンと戦隊ヒーローが、太平洋戦争の戦時真っ只中で軍部と衝突しながら暗躍する物語」がどれだけウケるのか。
マニア度の高い作品と言わざるを得ません。


■DVD特典に期待大!

英語版の本家プロモーションサイトにはいくつかのサテライトサイトが存在します。
thenewfrontiersman.netはそのひとつ。
アクセスしてもらうと分かるのですが、ミニッツメンや初期ウォッチメン活躍時からキーン条例施行前後の、TV討論やニュース映像、国家機密文書や原作ではお馴染み「ニューフロンティアズマン」の表紙、VEIDT社の広告などが散りばめられています。
(映像作品はYoutubeに投稿されています)

映画館で購入した本作パンフレットにもDVD特典に関する以下の記述があります。

グラフィックノベルにあった「黒の船」にまつわるエピソードは、屋外セットに建てられたキオスクを中心に展開される。映画本編には反映されなかったが、今後リリースされるDVDの特典用映像として撮影済である。

どう考えても原作ファンしか喜びようのない特典ですが、上記の情報からもかなりのボリュームが期待できそうです。
このブログをエントリーした時点でDVDリリースの日時はまだ発表されていませんが、原作ファンはDVDを購入して再度鑑賞する日を心待ちにしなければ。

WATCHMEN ウォッチメン
↑原作に触れていない方には、是非DVDと併せて一読して欲しい!






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2009.06.14 Sunday  【映画レビュー】幻影師アイゼンハイム

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★原作の脚色と、ポール・ジアマッティの好演が光る佳作

本作『幻影師アイゼンハイム』の原作は、ピューリッツァー賞作家・ミルハウザーの短編小説集『バーナム博物館』に収められた『幻影師、アイゼンハイム(原題:The Illusionist)』。
だが原作といっても、登場人物名と19世紀ウィーンという舞台、主人公アイゼンハイムの奇術ショーの数々のみを材料に大胆にアレンジされた別作品になっている。

そもそもミルハウザーには懐古主義で幻想・博覧気質の強いマニアックな作品が多く、原作も同様、アイゼンハイムが繰り出す奇術のみが幻想的に淡々と描かれている。
映画の中核となる階級社会を背景に繰り広げられる人物模様とラブストーリーは、監督・脚本のニール・バーガーの手によるものだ。

宝塚でもお馴染みのミュージカル『エリザベート』ファンの方には是非観て欲しいところだが、美貌の令嬢を王妃に迎え入れてハンガリー民衆の支持を得ようとする政略結婚や、王に反旗を翻した皇太子の悲しい顛末など、19世紀オーストリアの物語に造詣のある方には思わずニヤリとさせられる設定がチラホラ登場する。

同じ19世紀の奇術師をテーマにしたクリストファー・ノーラン監督作品『プレステージ』が奇術師同士の対決とトリック解明に焦点を当てていたのに対し、本作では奇術のトリックはほとんど明かされることはない。
奇術師が提示する“幻想”のタネはただ想像するのみであるべき、というポリシーが通されているのが、鑑賞後の余韻とすがすがしさを生み出しているように感じた。

原作とは異なるが、ニール・バーガーのセンスが光る良作に仕上がっている。

トリック解明や二転三転のサプライズを期待していると肩透かしをくらうのであろう、ネット上のレビューを見て回ると本作の評価は大きく二分されている。

そんな中、評価が一致していたのが、アイゼンハイムと皇太子に挟まれて葛藤する警部を演じたポール・ジアマッティの名演。
アイゼンハイムを演じたエドワード・ノートンのシリアスな演技と数々のイリュージョン(指先をつかったマジックをかなり練習した?)も見ものだが、本作の要所要所がポール・ジアマッティの演技によって支えられていることは間違いない。






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評価:
コメント:原作の脚色と、ポーツ・ジアマッティの公演が光る良作。 ミュージカル『エリザベート』ファンやオーストリア王朝の歴史に詳しい方には思わずニヤリとさせられる設定がチラホラ。
原作の脚色と、ポール・ジアマッティの好演が光る佳作
エドワード・ノートンがいい味だしてます!
なんというトリック!




2009.06.13 Saturday  【映画レビュー】ヤッターマン

ヤッターマン
yatterman.jpg

★乙女チックな深キョン・ドロンジョなど、原作とのギャップも楽しみどころ

アンジェリーナ・ジョリーに出演オファーを出したり、事前ファン投票では杉本彩が選ばれたりとドロンジョ様のキャスティングは注目を集めましたが、実際には土屋アンナに打診がいったもののスケジュールが合わず、彼女が深田恭子を推した(『下妻物語』つながり?)という経緯があったとか。

ヤッターマン1号とのラブシーン(?)では、「ヤンキー女子高生かっ!」というような純情路線で乙女チックな展開ですが、深田恭子が演じているから成立している気もします。このあたり原作ドロンジョファンの好みは分かれるでしょうね。
深キョンの声質が、本作にもカメオ出演している声優・小原乃梨子の本家ドロンジョ様の声に似せて聞こえ、彼女のいつもの棒読み台詞も本作ではそれほど気になりませんでした。

トンズラーも原作とちょっと違って、演じるケンドーコバヤシのイメージが勝ってか力だけの単細胞キャラには見えない。

そんな中、ボヤッキーは秀逸。
演じる生瀬勝久の声は原作とは似ても似つかないのに、顔も体格も立ち姿もあまりに似すぎて一番のハマリ役。そんな生瀬ボヤッキーが女子高生の皆さんの山に埋もれる妄想シーンは必見です。


★原作ファンはマニアックに楽しめる、そうでない方も充分に楽しめる

原作全108話をもとに丹念に物語を構成した脚本家・十川誠志氏の力量と、キャスティングや海外展開も含めたプロモーションで圧倒的な集客動員を果たしたプロデューサーに拍手。
そして何より、原作ファン代表というスタンスで手加減ナシに撮り切った三池監督の手腕もお見事でした。

CGで描かれるメカ戦闘シーンは迫力満点。
ボヤッキーの「ポチっとな」で登場する「おだてブタ」や「びっくりどっきりメカ」も良い感じに映像化され、原作にどっぷり漬かっているコアファンならニヤリとするアイテムやシーンがふんだんに盛り込まれています。
メタリックにリデザインされたヤッターワンやドロンボーメカも格好良い。
ドクロベエ様と言えばドクロマークからの“お仕置き”の声しか印象に残っていませんが、映画で何とも言いがたい実態を現します。原作でも登場するエピソードがあるそうで、声優はそのままにCG+実写で再現されています。

オトナもコドモも楽しめる、というよりは良い意味で“オトナの悪ふざけをみんなで楽しむ”娯楽大作。
TV放映中の新版ファンと、旧作のファンが童心に返って楽しむ分には充分な出来だと思います。

タツノコ作品の次なる実写化、『ガッチャマン』にも期待が高まります。





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