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2009.07.11 Saturday  ドキュメンタリー映画「クヌート」と、ホッキョクグマ・クヌートの近況

ベルリン動物園のホッキョクグマ・クヌートの物語が、この7月に日本で公開されます。
いよいよ公開を間近に控えていた矢先の今回の報道(実はプロモーション?)。

思わぬ経済効果を生み出してしまったことで、動物園間のお金をめぐる攻防に転じてしまったのは非常に悲しい出来事です。

種付けにあたってのレンタル料もバカにならないはずですが、そのレンタル料に関係なくベルリン動物園は素直に支払いに応じてしまうのですね。
まあ、クヌート特需でかなり収益アップしたようですので、今後のことを考えて動物園間の関係を悪化させたくない、という心情が働いてのことなのかと想像します。

動物園間のホッキョクグマのやりとりでは、札幌の円山動物園から釧路市動物園に婿入りに来たツヨシが実はメスだと判明。その後、父親であるデナリが代わりに借り出されたという国内ニュースも記憶に新しいところではないかと思います。

釧路市動物園>ホッキョクグマ


動物園経営には何かとお金がかかる厳しい現実があり、例えば旭山動物園はその難局を発想で乗り切った好例でした。
旭山動物園の物語については、今年はじめにマキノ雅彦監督(津川雅彦)の手で『旭山動物園物語/ペンギンが空をとぶ』として映画公開されましたね。

実は日本で初めてホッキョクグマの人工繁殖に成功したのは旭山動物園なのだそうです。


★ドキュメンタリー映画「クヌート」

【映画の背景】公式サイトから抜粋)
2006年12月にドイツ・ベルリン動物園で誕生。
生まれて間もなく母クマの育児放棄から、世界でも例の少ない人工哺育されたホッキョクグマ・クヌート。

一緒に生まれた双子の兄弟は残念ながら生後4日目に死亡するが、動物園の飼育係や獣医らに命を救われたクヌートは順調に成長し、その愛くるしい姿が一般公開されると、ひと目その姿を見ようと動物園には多くの人びとが連日押し寄せる大騒動となった。

連日クヌートの成長がニュースとして発信され、クヌート人気はドイツのみならず世界中に広まった。
クヌート効果で動物園の年間来場者数は倍増し、ついにはアメリカの雑誌「Vanity Fair」誌の表紙を飾る(撮影は世界的有名な写真家アニー・リーボヴィッツ)までに。

映画『クヌート』は、2007年にはドイツの環境大使に任命されたというベルリン動物園の人気スターの成長記録を存分に堪能できるドキュメンタリー作品となっています。

絶滅危惧種であるホッキョクグマの生態を捕らえた映画というと、昨年公開された『アース』を思い出しますが、ここ数年人気のネイチャー映画とは一線を画し、『クヌート』は記録映画として動物園業界でも貴重な参考資料となるのだそうです。

育ての親となった飼育員のトーマス・デルフライン氏は、昨年心筋梗塞で急死されました。
それもまた、結果として本作の感動を深くする出来事となっています。


★クヌート論争とは?

今回報じられた裁判沙汰だけでなく、映画でも語られている大きな問題が「人工哺育」について。

「人工哺育という手法はホッキョクグマの種のあり方にふさわしくないため、クヌートを薬物で安楽死させるべき」という主張がドイツの週刊誌などでしばしば取り沙汰されていたのだそうです。

その発言主として槍玉に上がったのが、フランク・アルブレヒトという動物愛護活動家と、アーヘン動物園の園長。
この論争がドイツだけでなく世界中のメディアに取り上げられ、その結果、発言主とされた二人のもとに脅迫状が殺到する事件に発展したのだそうです。

最終的には、ライプチヒ動物園で起きたナマケグマの安楽死事件に端を発した発言が歪曲された誤認報道だったことが判明して一件落着となりました。

とは言え、宗教観や国民性の違いなどで、人口哺育に対する反対の声は海外では根強いのだとか。


▼クヌート(原題:Knut und Seine Freunde) 予告編


日本版映画予告編は公式サイトでチェックできます。
また、ベルリン動物園が運営する公式ブログ(独語)では、大きくなった現在のクヌートの様子を動画で観ることができます。


初出:あと968日目はホッキョクグマ・クヌートの報道に触れて




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